岡山かなりや学園でレクリエーション研修を開催しました!!

2023年7月13日(木)、岡山かなりや学園(聴覚障がい児通所施設)において、言語聴覚士、保育士等に向けたレクリエーション研修を開催しました。

今回は、園長先生との打ち合わせで、療育に通う子どもたちの遊びやゲームの幅を広げたいというリクエストを受け実現です。

聴覚障がい児通所施設に通う子どもたちは、難聴で音を聞くことが難しく、補聴器や人工内耳などで補助し、言葉を正しく話せるようになるための療育や言葉のきき漏れがないように様々な取組みを通して療育を受けています。

とは言え、聴覚障がいはあるものの、遊びやゲームは保育園と同じように活動に取り入れています。城本は、岡山県レクリエーションインスラクターでもあるので、前回の研修に続いてオファーをいただきました。

レクリエーションは、机上での研修では楽しさやゲームの進行、注意すべきところなどがぼやけてしまいます。子どもたちが楽しさを感じ、様々な事を発見し学び経験していくには、やはり実践に勝るものはありません。
今回は職員の皆さんに実際にゲームに参加していただきました。

岡山かなりや学園は就学前の子どもが通う通所施設です。ゲームは2歳から楽しめる内容のものを取り入れました。
ゲームと言うと、4,5歳児くらいから楽しめる印象がありますが、その導入部分として2~3歳児は簡単なルールを取り入れた時間的に短くてルールも簡単なものを導入することにより、十分ゲームとして成立します。

今回はまず最初に、

「椅子取りゲーム」をベースに各歳児に合わせて展開していきました。

無人島ゲーム(導入)→フルーツバスケット(カテゴリー分類)→椅子取りゲーム(集中力・競争心)→異年齢椅子取りゲーム(思いやり・チームワーク基礎)

これらのゲームはお馴染みのものですが、聴覚障がい児は補聴器や人工内耳を装着しているものの、「きき間違い」や「きき漏れ」しやすく、これらは様々なゲームなどを活用して「きく」事に対する精度を上げていくことが可能です。
そして、このきき間違いやきき漏れは、小学、中学、高校と学習が中心となる生活において、授業の遅れや集団生活の中で円滑な人間関係の妨げになる恐れがあります。

そのため、音響に強弱を付けたり、聞き間違いしやすいワードを取り入れるなどの要素を盛り込むことにより、楽しく且つ自然に聴覚の精度を上げることが可能になるのです。

研修の後半は、、、

職員同士のチームワークに「ペーパータワー」を取り入れました。

このゲームはマシュマロチャレンジ(企業などのチームビルディングに活用されるゲーム)をもっと簡単にしたものです。
聴覚障がい児施設で従事する専門職は、言語聴覚士や保育士など多岐にわたります。
専門分野が違い、年齢も性格も違う職員が子どもたちのために力を合わせなければなりません。
そのために、ゲームを活用してチーム力を養うことにしました。

時間内にとにかく高く積み上げる、崩れても何度もチャレンジ

1チーム30枚の紙を用意し、5分間の間にどれだけ高いタワーを作ることができるかを競います。
タワーを作る前に、5分間チームでどのようにタワーを作っていくか話し合います。この時間が非常大切で、普段それぞれの役職、役割において業務をしている職員にとっていつもと違うコミュニケーションを展開する機会になります。
そのため、3チームに分かれてもらいましたが、チーム分けの時に”普段あまり接点を持つことが難しいもの同士”を組み合わせるよう条件を出しました。短時間でコミュニケーションを密にするためです。


更に、各チームは「協力」しなければ勝敗に影響してきます。
勝敗が目的ではありませんが、着地点があることにより、短時間でよりチーム力を高める力をそれぞれが発揮するようになります。

これは、非常に有効的な取り組みでした。
遠慮がちな職員も時間制限があることにより、とにかくコミュニケーションを取ろうとする、勝敗という着地点があるためチームメンバーの思考が同じ方向性を向くという効果です。

もちろん、ゲーム自体も大盛り上がり。改めて、職員同士の協力体制について楽しみながら互いに向き合えたようです。

最後は、

このペーパータワーで使用した紙を再利用したゲームです。
レクリエーションは、様々な素材を有効活用し工夫することは非常に重要であり、バリエーションを増やすことに繋がります。

ゲーム名は「おにぎり玉入れ」

これは、職員同士のチーム力向上と子どもたちにも展開できるゲームになります。
今度は2チームに分かれ、各チーム好きなおにぎりの具材を3つ決めます。
先ほど使用した紙に、3分間で具材名を書き、くしゃくしゃに丸めておにぎりを作ります。

全てのおにぎりはぐちゃぐちゃに混ぜ、部屋の中央に置き、各チームは中央にあるおにぎりを走って取りに行き、自分の陣地へ戻り、相手チームの陣地に3分間の間おにぎりを投げ入れます。
相手チームの陣地に自分たちのおにぎりの具材が沢山入っているほうが勝ちです。

     3分間ひたすら相手陣地におにぎりを投げまくる!行ったり来たり、みんな一生懸命

 おにぎりの数をみんなで数えます。相手チームにたくさん自分のチームのおにぎりがありますように。

◆まとめ

今回のレクリエーション研修では、

  • 子どもたちの成長に合わせたゲーム展開
  • 聴覚障がい児に対する言語聴覚の発達を促すための配慮
  • 聴覚障がい児施設で志を共にする職員同士のチームビルディング
  • 様々な素材を活用したレクリエーション(ゲーム)の展開方法

を学びに取り入れた研修でした。

岡山かなりや学園さんでは初めてのレクリエーション研修。
参加された職員の皆さんからは、

  • とても楽しく参加することができ、ゲームをただ展開するのではなく聴覚障がい児の言語聴覚訓練を取り入れる視点を今まで以上に持つことができた。
  • 普段とは違う職員同士のコミュニケーションを図ることが出来て良かった。

など、感想を頂くことができました。

城本自身も、レクリエーション研修を通して、岡山かなりや学園さんへ貢献できたこと、改めて感謝するとともに、聴覚障がいの子どもたちが将来不安がなくなり自信を持って成長していけるよう、これからも邁進していきたいと思います。

執筆:城本有理