幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿より④「道徳性・規範意識の芽生え」について

「道徳性・規範意識の芽生え」の視点からは、相手の気持ちが分かり相手の立場に立って行動し、自分の気持ちを調整できるようになることすなわち、対人関係の基礎を築き、協調性を保ちながら互いにルールを決めたり守ったりしていく力の事を表します。

 具体的には、相手の気持ちに共感したり時に自分の行動を振り返りながら、相手のことを考えも大切にしつつ関わりを持っていきます。そして、自分の考えや気持ちに善悪があることを知り正しい判断ができる力を培っていきます。また、ルールを守ることの重要性を知り、ルールの中で楽しさを見出し工夫していくことを学んでいきます。同時に、共有物を互いに譲り合いながら大切に使うことも学びます。

 この道徳性・規範意識の芽生えは、子ども自身で培っていくことですが、保護者や保育士など大人の関わり方が非常に重要になってきます。子どもの気持ちを十分に受容したうえで、物事の善悪を伝え、ルールを守る→我慢することを伝え経験させる事も必要になるでしょう。ある意味、礼儀・礼節にも関わってきます。

構える必要はありませんが、親の毅然とした関わりがこれらの意識をスムーズに子どもに伝えていく秘訣でもあります。

執筆:城本有理